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<店主のおすすめポイント>
店主が編集者として編集した本です。シュトルム神父の「生活と思想」が読者の皆さんに伝わるようなものになったのかと思います。立ち読みしてご覧になってみてください。



以下の文章はチラシからの引用です。

 本書の主人公ゲオルク・シュトルム神父は1915年スイスで生まれた。カトリックの深い信仰を持つ母に育てられ、ローマの大学で哲学を学んだ後、スイスに本部のあるベトレヘム宣教会の経営する神学校で学び、卒業後、司祭として中国で宣教に励んだ。しかし、中国共産党の政策により中国を追放され、ベトレヘム会の宣教師たちは命からがら日本へ逃れ、そして岩手県の宣教を任されることになった。

 シュトルム神父もその一人として岩手の小さな町、二戸市に着任し、この地で45年間を過ごし、89年の生涯を閉じた。
神父は二戸に住む45年間に二千本にも上る植林活動を行い、一千八百点にのぼる膨大な数の植物図譜(水彩画)や木彫を残した。毎日の聖務日課の聖書朗読を即興のギター伴奏で歌い、これらの曲は後に『バイブルソングス』(音楽之友社)として出版された。
 
 神父の生活は民家を教会とし、手作りの十字架やマリア像を置き、畑を耕し野菜を作り、山羊やアヒル、ガチョウ、ニワトリなどを飼い、冷蔵庫も石油ストーブもない質素な自給自足の生活だった。
 清貧・貞潔・従順を貫いたその生活はアシジの聖フランシスコや宮澤賢治を彷彿とさせる生き方でもあったが、宣教師としては多くの信者を得ることが出来ず深い挫折の45 年間でもあった。
 それでもこの神父の思想と人柄に触れ、心の支えにした人たちもたくさんいた。この本は、その様な人たちの支えによって世に出ることになったもので、シュトルム神父の生活と思想が感じてもらえるよう写真やスケッチを紙面の許す限り掲載し、生活の中で発せられた神父の言葉を出来るだけ掲載した。珠玉の言葉をこのように残すことができたのは、ひとえに著者・黒澤勉氏の功績である。
 神父の残した仕事と言葉の中に、戦後日本におけるキリスト教福音宣教の成功と挫折を見、来るべき日本の福音宣教への希望の道を見いだして頂けたなら、この本を世に送り出した甲斐があったものと思う。(編集者)

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